十人十福

Vol.04

留学をきっかけに視野が広がり
何事にもポジティブに。
世界に飛び込む準備中!

中原 百望さん

社会起業学科 2年

京都市立紫野高校出身。動物に関する社会問題に関わりたいと、人間福祉学部社会起業学科へ進学した。2年生の春学期、カナダに3カ月間留学したことにより英語力がアップし、同時に世界が広がる。海外インターンシップや日本語教師資格取得に意欲を燃やし、「KGバディーズ」では外国人留学生との友達の輪も拡大中。

#社会起業#留学

コロナ禍で、このまま終わりたくないと留学を決意。

動物愛護に関心があり、もっと専門的に学びたくて社会起業学科に入学しましたが、その直接的な機会はあまりないように感じていました。しかもコロナ禍で授業はほとんどオンラインとなり、一人暮らしということもあって気分が沈む日が多かったです。でも、このまま何もせずに終わりたくないと思い、まずは英語を頑張ろうと、1年生の5月ごろに人間福祉学部独自の「社会起業英語中期留学」に応募しました。コロナ禍でなければ留学に挑戦しようという気持ちにはならなかったかもしれません。つらい時期でしたが、いい意味で気持ちに変化がありました。
2年生の5月から約3カ月間、カナダのクイーンズ大学に留学し、英語学習プログラムに参加しました。フィールド調査では、もともと興味のあった動物愛護活動をテーマに幾つかの団体にアポイントを入れましたが、断られたり返事がなかったりで、最終的に現地の野生動物保護団体の方にオンラインで話を聞くことができました。日本とカナダの法律の違いや、動物愛護に対する考え方などについて議論を深め、自分の思考を深めるきっかけになりました。やり取りは当然全て英語で、より理解するために録画して後から文字に起こすなどの工夫もしました。また会話力を鍛えようと、家の近辺で犬を散歩させている人への突撃インタビューも行い、ペットショップの有無など日本とカナダの違いについて7つの質問を計20人に投げ掛けました。
大学が夏休みのため現地の大学生と交流できる機会がなかったので、大学内の体育館を自ら訪ねてバレーボールのコミュニティーに入れてもらい、毎週木曜日には一緒にプレーしました。そこで出会った人と今でも連絡を取り合っています。

何でも話を聞いてくれたカナダの”第二の母”との時間が、大幅な英語力アップに。

帰国後のTOEICでは約150点伸びました。これはホームステイのホストファミリーに恵まれたことが大きいと思います。ホストマザーは食事が終わった後も、長い時には2時間、3時間と一緒に話をするなど、英語でコミュニケーションを取る機会をつくってくれました。フィールド調査のインタビュー先を相談したり、質問内容を確認してもらったり、学校であったこともどんどん伝えました。“第二の母”のような存在で全て聞いてくれて、そういう環境が私にとってはすごくプラスだったと本当に感謝しています。
留学先では「受け身でいることがもったいない」と思うようになり、何とか伝えようと必死に話しかけました。よく留学経験者が言いますが、決められた期間の中で自分からどれだけ行動できるか、留学ではそれが大事だと改めて実感しました。

世界に飛び込むための“強み”を身に付けたい。

留学前は留学に行くことが目標で、行ったら終わりと考えていましたが、帰国後、この経験を将来につなげたいと思うようになりました。動物愛護の問題に興味を残しつつ、それよりもグローバルな視野を持って世界に飛び込みたいという気持ちが強くなり、海外で活動するための強みを手に入れようと、今、日本語教師を養成する学校に通っています。インターンシップが始まる3年生の夏までには資格の取得を目指しています。
関学に通う外国人留学生のバディー(友人)になって交流しながら生活をサポートする「KGバディーズ」にも応募しました。いいバディーに出会え、バディーのつながりで他の留学生の友達もできて―と、友達が増えていきました。正直に言うと留学前は大学生活にあまり熱が入りませんでしたが、今は非常に充実した毎日を過ごせています。
今年2月には、CIEC(国際教育・協力センター)の「中期海外インターンシップ」でオーストラリアのシドニーに行く予定です。日本語教師の資格取得を決めたのと同時期だったので大変だなと思う一方、将来を見据えるという意味で貴重な経験になると思い参加を決めました。この選択を受け入れ、背中を押してくれた両親には感謝しかありません。

これまで避けがちだった英語のみで行われる授業も前のめりに履修。

留学したことで視野が広がり、やりたいことが湧き出るように増えていき自分の世界が一気に広がりました。もともとはすごくネガティブな方で、小さなことを気にする性格でしたが、何事もポジティブに考えられるようになり、細かいことで気疲れしなくなりました。言い換えるとすごく楽になったと思っています。3カ月という長さも今思えばちょうどよかったです。1年間だと、帰国後は就職活動等が気になって新しいことを始める時間は取れなかったかもしれません。熱い気持ちのまま挑戦できてよかったです。
英語力に自信がなかったのでこれまでは英語で行われる授業は避けてきたのですが、積極的に取るようになりました。その一つが2年生の秋学期に受講した孫良教授の「グローバル化社会と福祉」という、世界の社会問題について考える授業です。英語でプレゼンテーションし、英語で意見を求められるので、留学前なら怖くて100%取らなかったはずです。でも、日本では自分で英語の環境をつくらないと英語力を伸ばせないし、キープすることすら難しいため、その環境を大学から与えてもらっているのなら取るしかないと思いました。いざ授業が始まってみると、カナダに一緒に留学した人たちが全員この授業にいました。「そんなの、取るに決まってるやろ」って(笑)。

挑戦を続け、将来は世界を舞台に活躍したい。

1年生の時には自分が縮こまっていて気付けませんでしたが、関学には留学に挑戦したり留学生と関わったり、国際交流の機会がたくさん提供されていて、探そうと思えばいくらでも見つけられます。もっと英語環境をつくりたいと思った時には、CIECをはじめ学校に頼ればチャンスがあります。それが今の私には一番の魅力ですね。
これからの生活が楽しみで仕方ありませんが、やりたいことが増えすぎて最終的に絞っていかなくてはならない点に不安はあります。留学するまではこれしかないという不安でしたが、今は、こんなにたくさんある、ここからどうやって絞っていこうかという不安。贅沢な不安に変わりました!
将来は絶対に海外に行きたいという気持ちです。卒業してすぐでなくても、いつかは海外とつながれる職業に就きたいですね。動物愛護の問題への関心は、世界の社会問題という大きなくくりの中の1つである、という位置付けに変わりました。どのような職業がいいのかは、残りの大学生活でもっとさまざまなことに挑戦して見つけたいと思っています。